美味しさの秘密


田ぶしのらーめんを最も特徴付けているのが、鰹の香味油です。
厳選した良質な煮干しと、アゴ(飛び魚)を弱火でしっかりと炒り、魚の臭みを抑えつつ香ばしさを引き出していきます。
そして余分な油脂をすくい取った豚骨スープをベースに、たっぷりの鰹節と、あらかじめ作っておいた炒り煮干し・アゴなどを加え、低温でゆっくり丁寧に煮込み、魚介の旨味をじっくりと移して完成します。
出来上がった香味油は、まさに魚介の旨味と香りがギュギュっと凝縮した、旨味エキスそのもの。
鰹を中心とした魚介類の力強くどこまでも奥深い味わい、鮮烈で目の覚めるような香りに、あなたもきっと魅了されることでしょう。
田ぶしのらーめんが、何度食べてもまた食べたくなるその秘密は、この鰹香味油を惜しげも無くたっぷりと使用しているからなんです。

美味しい豚骨スープを作るため、素材も手間も時間も妥協しないのが田ぶしのやり方です。
新鮮な国産豚骨を丁寧に洗って余分な汚れを取り除き、丹念にアクを取り除きながら2時間ほど炊き出します。
その後は旨味を絞りきるために豚骨を叩くようにして砕き、今度は4時間ほど強火でガンガンと炊き出していきます。これを2度繰り返して1日目は終了。
2日目は、一晩寝かせた熟成スープを再び強火で呼び戻し、もみじ(鶏の足)・煮干し・アゴ(飛び魚)などを加え、弱火でコトコトと2時間煮込んで完成します。
田ぶしの炊き出し豚骨スープが臭わないのは、厳選した国産豚骨を使い、丁寧な下処理と合計12時間も炊き出す、その手間と時間にあります。
味わいは、豚骨スープらしいガッシリとしたコク、マイルドな旨味、そして程よいコッテリ感に溢れ、そこに鰹や煮干しのパンチある風味が加わった、濃厚で力強い魚介豚骨風味です。
豚骨スープ特有の臭みやクセを極力取り除いているため、豚骨スープが苦手な方でも美味しく食べて頂ける、田ぶし自慢の洗練されたモダンな味わいです。

田ぶしの麺は、国産小麦を100%使った自家製麺です。それは思い描いた最高のラーメンを実現するために必然の答えであり、同時に苦労の道のりでした。
国内や国外の様々な品種の小麦を取り寄せてはブレンドし、目指した味や食感に少しでも近づくため、幾度となく試作を繰り返しました。
そして出来上がった麺は、繊細でしなやかなコシや、シルクのように滑らかな食感を持ちながらも、国産小麦の豊かな風味がしっかりと感じ取れる、食べ応えと上品さを併せ持った自慢の麺です。
また、個性的なスープをしっかりと受け止めるため、中太のストレートを選択。程よくスープを吸い上げ、麺を噛みしめるほどにスープの旨味が増していく、まさに味わい深い麺でもあります。
さらには麺に、鰹節の粉を練り込んでいます。
国産小麦にこだわりながらも混ぜ物をする。というと、一見矛盾しているように思われるかもしれませんが、これには秘密があります。
田ぶしのらーめんは、香味油にもスープにも鰹節をふんだんに使い、魚介の強烈なインパクトを追求していますが、食べ終える最後まで単調にならず、飽きることなく食べられる工夫として、麺に鰹節粉を練り込みました。
これにより、食べ進める途中に麺から鰹風味の吐き出しが行われ、食べ初めに比べてより魚介風味が増していきます。
個性の強い田ぶしらーめんが最後まで食べ飽きないのは、麺に練り込んだ鰹節粉が、味のドラマを生み出しているからなんです。

らーめんには定番トッピングのメンマ。田ぶしはここにもこだわりました。
一般的ならーめんに使われるメンマは、麻竹(まちく)と呼ばれるたけのこの一種であり、その節の部分を使います。
しかし田ぶしでは、この麻竹の先端部分だけを使用しています。
通常のメンマと比べ、取れる数が少なく値段も高いのですが、圧倒的に柔らかく、みずみずしさとシャキシャキ感が強いのが、穂先メンマの特徴です。しかもその柔らかさのために通常のメンマではありえない、スープが馴染む効果もあり、一杯のらーめんとしての完成度を追求した田ぶしのらーめんには、欠かせない具材です。
情報誌「東京一週間」にて「最優秀メンマ大賞」を受賞した、この貴重な穂先メンマを贅沢に堪能して頂くため、お店では長めにカットしたものをご提供しています。